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8月10日 HPスーパーサイエンスキッズ夏休みスペシャル企画
「深海の神秘にふれよう!」 -海洋研究開発機構 横須賀本部見学会-

8月10日、台風一過の晴天・真夏日の中、夏休み特別企画として横須賀の海洋研究開発機構にてHPスーパーサイエンスキッズの特別イベントが開催されました。

有人潜水調査船 "しんかい6500" を乗せた支援母船 "よこすか" の帰港に合わせてのイベントでしたが、悪天候等によって帰港がギリギリまで危ぶまれていたこともあり、開始時間直前の入港を見たスタッフの喜びと安堵感の入り混じった興奮度は、言葉では表現できないものでした。

当日は、まず講義室で海洋研究開発機構の概要の説明があり、その後、深海生物の生態についての講義、そしてメインイベントとなった支援母船"よこすか"の内部見学や、有人潜水調査船の模型や深海生物を実際に見ながらの説明、深海での水圧を再現した圧力実験やヘリウムを吸ったときに声がどう変化するかなどの体験実験が行われました。

真剣な面持ちで海洋研究や深海生物についての講義を聴く子供たち

まず、広報担当の山田先生が、元潜水調査員としての体験としてロープの結び方や海のお話、船のお話等を交えて、機構の概要説明をしてくださいました。
参加者は、利き手の親指に輪ゴムを通し、手の甲を伝えて反対側を小指にひっかけ、もがきながら輪ゴムを外す体験を通して、釣り糸に絡んでしまった海鳥たちがもがき苦しむ様子を再現し、海をクリーンに保つ大切さを学びました。自然と共存して生きていくには、私たち人間の自覚とさりげない気遣いが必要ですよね!
また、有名なタイタニック号の沈んでいる深さや、潜水機がどれだけ深く潜れるか、等のクイズを、進んで答えていました。
皆さんタイタニック号がどれくらい深い海の中で眠っているのか、知っていますか?
海底3,800メートルだそうです!
日本で一番高い山として雄姿の象徴でもある富士山は3776メートルですから、海底に富士山が沈んでいると想像すれば、どれほど深い底にその豪華客船が眠っているか、わかりますよね。

深海の軟体生物の実態を探る・・・

次に、海洋研究開発機構の中でも、"極限環境生物圏研究センター"という部門で深海にはどういった生物が生息しているのか・・・という研究を進めている三輪哲也先生が、子供たちにも分かり易く深海生物のお話を聞かせてくださいました。 三輪先生は、複数の大学で客員教授として教鞭をとっていらっしゃる凄い方ですが、ポケモンや虫網など、子供たちに身近な素材を使ってお話をしてくださったので、参加者にも分かり易く、楽しい講義になりました。

例えば・・・

子供たちでも分かりやすいように身近な素材を使って説明してくださいました!

上の一番左の写真は、電球の真下の高熱も、水を通す(プラスチックケースに水が入っています)事によって、感熱温度がぐっと下がる・・・という実験を通して、深海でわきでる隣で4℃の水温を保つことによって生活をしている生物の謎を解明しているところです。

他にも、金目鯛がどうして赤いのか・・・等を学びました。

色素のお話ですが、人間の肌にどうして色がついているか知っていますか?

これは、太陽の熱・光から身を守るためだそうです。
深海生物は、太陽の光が届かない場所で生活しています。
なので、外敵から身を守ること以外に、体に色をつけておく必要がないので、『黒』・『透明』・『』の3色しかいないそうです。

黒・・・透明・・・は分かりますが、なぜ"色"のついた""なのでしょうか・・・?

それは、水中の光が届かないところでの色の変化が理由だそうです。

なんと、赤い色・・・というのは、太陽の光の届かない深海では、見えないんだそうです!!

水深30m.で、すでに赤い色は見え辛くなっていますね。
もっと深いところに行ったときは、もっともっと見えなくなるはずですね!!

ちなみに、青い色は深いところまで届くそうです。

『船に乗れたのが嬉しかった!!!!!』の声続出

三輪先生の講義の後は、いよいよメインイベント、『"よこすか"の船内見学』です!! 青く澄み渡った夏空の下、皆さん興奮のあまり記念撮影をしながらの入船。

60人が乗船できる船は、こーーーーーんなに巨大!  さて、期待に胸を膨らませて乗り込みます。
年間260〜300日ほど洋上にいる船だそうですから、本日参加できた子供たちは本当にラッキーです。

船内をぐるぐると歩きながら、研究者の部屋や操縦室を見学しました。
その後、しんかい6500の堂々たる姿の前で、記念撮影!

通路はとっても狭いです。 すれ違うのがやっと。 研究者の部屋には、ベッド・机・洗面台もあります。

ジャーーーーン

これが、"しんかい6500"です!!
実は、"しんかい6500"は、先日公開された映画『日本沈没』で"わだつみ6500"として撮影に協力したんですよ!!

実験には意欲的に参加をするスーパーサイエンスキッズ達

その後、海洋研究開発機構内の施設、海洋科学技術館に移動して、しんかい6500の模型を見ながら説明を受けたり、深海の生物を見たり、カップヌードルの容器が水圧で小さくなる実験や、ヘリウムで声が変わる実験をしました。

"しんかい6500"の模型を使って、潜水調査船の説明を受けたり、深海生物を実際に見たりしました。
カップヌードルの容器が、水圧を加えることによってだんだん小さくなる実験は、参加希望者多数です!! さすがはスーパーサイエンスキッズ!実験の類には興味津々ですね〜。
実験器具内のカップに注目すると、だんだんカップが小さくなっていってるのがわかりますか? 最後のほうは圧力を加えるにも力が要ります!全身の体重をかけてレバーを押し下げます。頑張れっ!!!
こんな感じで、カップの空気が水圧によって抜けていって、最後はこんなに小さくなりました!

左から、原寸大、水深100m.、200m.、500m.、1000m.、2000m.、3000m.、4000m.、5000m.、6500m. での水圧実験の結果見本です
しんかい6500が潜れる、水深6500m.では、カップヌードルのカップが可愛らしい大きさ1/8サイズになってしまいます!
圧力って不思議ですね。

お土産にもらいました!

ちなみに、カップヌードルの容器はこんなに小さくなってしまう深海ですが、その調査をしている人間の体はカップヌードルの容器の様に潰れてしまわないのか・・・という質問が子供達から飛び出しました。 そうですよね、不思議ですよね。いい質問です! そんな疑問に三輪先生が答えてくれました。

カップヌードルの容器が小さくなるのは、水圧によって発泡スチロール内の空気が圧縮され、カップ自体が縮んでいくからです。 でも、人間の体の中で空気がある部分は、"肺"だけなので、肺は潰れてしまうけれど、お肉や水分・血液で詰まった体自体は、潰れない・・・との事でした。 例えば、お水でいっぱいになったペットボトルがあるとします。そのペットボトルは、潰れませんが、少し飲んでしまって空気の部分ができてしまうと、その部分はクシャッと潰れてしまうそうです。

続いて、"ドナルドダックボイス"としても知られている、"ヘリウムボイス"の実験です。 これには、子供たちに大うけでした。実際に自分の声が甲高い声に変わったのを聞いて、大爆笑の渦でした!

一見、何の実験か分からないヘリウムボイス実験ですが、深海の世界とヘリウムにはしっかりとつながりがあります。 水深50mを越えて長時間に渡って潜水する場合、空気の生理的な障害を避けるために、ヘリウムを多量に含んだ人工空気を呼吸ガスとして用いるそうです。

一通り実験や見学を終えたところで、海洋研究開発機構のプログラムは終了しました。

最後の締めは、やっぱりスクイーク★

その後、会議室内で、Squeakの作品紹介がありました。 コンテスト受賞作品など(contest_result.html 参照)を、解説をしながら紹介してもらいました。 参加キッズたちは、コンテストでの上位入賞を狙ってアメリカに行きたい!!!と、受賞作品の説明を受けながら、プログラミングの奥深さとスクイークの可能性を、真剣な面持ちで聞き入っていました。

今回は、夏休み特別企画として、コンピューターの世界から飛び出した科学の不思議を見てきましたが、生物や不思議な実験を目の前に、キラキラと子供たちの目が始終輝いていたのが印象的でした。 今後も、科学の無限の可能性を追求して、よりパワーアップしたスーパーサイエンスキッズを目指してくださいね!! (HP SSK S.N.)