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スーパーサイエンスキッズ
コンテスト
「明日のダ・ヴィンチを探せ!」スーパーサイエンスキッズ・コンテスト開催

内容 参考作品 審査結果バックナンバー 2009年度審査結果

コンテスト最終選考会

2009年3月28日(土)、日本HP高井戸事業所にてスーパーサイエンスキッズコンテスト最終選考会が開催されました。10月24日と3月5日に開催された第一次選考会によって選出された12名のサイエンスキッズ(SK)が、「サイエンス部門」「アート部門」に分かれてそれぞれ別の課題に取り組みました。 今回はアート部門でのチャレンジャーが8名、サイエンス部門でのチャレンジャーが4名でした。

それぞれの課題

審査風景1

サイエンス部門の課題は「温度を測れるものを作りなさい」でした。 温度によって変わるものはどんなものがあるか考え、その原理を使って0度から40度くらいの温度が測れるものを作らなければいけません。 ペットボトル、ストロー、温度で色が変わる紙、懐中電灯、 40度のお湯、氷水、世界聴診器など用意された材料を自由に使って温度を計る装置を創作しました。スクイークを計測ソフトの開発で使ったり、 なぜそれで温度が測れるのか?どんなところを工夫したのか?をプレゼンテーションする道具として使いました。 アート部門の課題は「浦島太郎の続編を創作してください」でした。 浦島太郎の物語の朗読を聞いたあと、続編のストーリーを考えます。それから用意された布やボタン、色紙、毛糸、粘土などのグッズを使って、ストーリーの場面、キャラクター、背景などを作ります。 作ったものをデジカメで撮影し、画像データとしてスクイークに取り込み取り込んだ画像データを使って、スクイークで続編の物語を完成させました。中にはゲーム仕立てにした人もいました。 

審査風景2

緊張感が漂う中、みんな約二時間集中して作品作りに没頭しました。

作品製作が終わると、次は審査員の先生の前でプレゼンテーションです。 さすがSKに選ばれた子どもたち。自分が作った作品について堂々と発表し、 先生に聞かれた事に、はきはきと答えていました。

作品選考会

審査風景3

作品製作が終わった後は、審査員の先生方による作品選考会です。どれもレベルが高い作品ばかりで審査員の先生方からも、 「こんなやり方があったのか〜」 「プログラミング能力が高い!」「絵がとても上手!」「ストーリ設定がユニーク!」「発想が面白い!」と感嘆の声が。評価に際しては、色々な視点から意見が交わされましたが、今年も文句なく高いレベルで、最終的にサイエンス部門から2名、アート部門から3名、合計5名のSSKが選ばれました

今回の審査員は以下の方々です。(順不同)

  • 山崎 謙介 様(東京学芸大学 教育学部自然科学系教授)
  • 杉山 知之 様(デジタルハリウッド大学 学長)
  • 鈴木 元  様(アカデミアシステムズ株式会社 代表取締役社長)
  • 寺澤 正雄 様(日本オラクル株式会社 取締役、日本HP株式会社元代表取締役会長)

結果発表

審査風景4

いよいよ結果発表です。まず最初にデジタルハリウッド大学学長の杉山先生より講評をいただきました。
「今回も本当にレベルの高い作品ばかりで、皆さんの素晴らしい才能に感激しました。
これからはアートとサイエンスが融合した才能を兼ね備えている人が未来の科学者、表現者になるのだと思います。皆さんは充分にその可能性があります。さらにその能力を伸ばしてがんばってください!」と激励の言葉を受け、子供たちの表情が引き締まります。

SSK理事長瓜谷より、SSKに選ばれた5名の名前が読み挙げられました。選ばれた子どもたちは驚きと喜びと安堵の表情を浮かべ、認定書を瓜谷より、記念トロフィーを学芸大学教授 山崎様、賞品のミニノートPCの目録を日本HP元会長寺澤様より、より授与されました。 惜しくもSSKに選ばれなかった子どもたちも、悔しそうな顔を浮かべながらもSK認定書を受け取ると満足の表情。 SKに選ばれただけでも名誉な事。全力で力を出し切ったのだから、もう悔いはありません!

審査風景5 審査風景6 審査風景7

SSK5名の作品の説明と審査員の講評

結果発表

審査風景8 ななさん(小学3年)
わたしの作品で、がんばったところは、浦島が、遊園地にいって遊ぶところです。
緊張したけど最後までがんばりました。
(講師の評価)
構想力豊かですね。流れが良く、インタラクティブに楽めます。
ストーリー設定も良いですね。スクイークが良く使えています。
審査風景9 ミツキさん(小学5年)
私は、浦島太郎と乙姫が一緒になれればいいと思い結婚し、海の中で幸せに暮らすストーリーにしました。
工夫したところは、亀から浦島太郎に戻るところをアニメーションで表現したところです。
(講師の評価)
楽しいストーリーで、絵もかわいくて、すごく上手です。
ハッピーエンドが良いですね。
審査風景10 ゆうたさん(小学4年生)
僕は、浦島太郎が玉手箱をあけた瞬間に「赤頭巾ちゃん」になってしまうという作品を作りました。全く違う物語につながってしまったら面白いと考えたからです。
赤頭巾ちゃんがおばあさんの家に向かう森の中は迷路ゲームになっています。
迷路の中のボタンを押すと障害物が消えて道がつながるようにしました。
僕が作った作品はここで終わりですが、続きを考えながら作っていました。
どんどん物語がつながって行くことを考えていました。
たとえば、オオカミのお腹の中から出てきたのは「シンデレラ」でした、などです
(講師の評価)
赤頭巾の形がかわいいですね。森の迷路が良かったです。絵がとても上手です。
審査風景11 ナツキさん(小学5年)
この作品は、電池を温水や冷水で加熱したり冷却してその電池を懐中電灯に 入れ、それを紙コップの中の光センサに光の変化を読み取らせて温度の変化を 読み取らせるというものです。
電池には温度が下がると電力が弱くなるという性質があるため、それを利用しました。 これは、「大阪の人は電池を冷蔵庫で保存する」という、テレビのバラエティ番組で 見た話から思いついたものです。
光が強い時の周波数や弱い時の周波数を認識するスクリプトと、周波数によって テキストの数値の値を変えるという単純なスクリプトの組み合わせで作りました。
単純なスクリプトで説明できるよう、簡略化しました。
(講師の評価)
理解力、観察力、情報収集力が秀でています。電池を直接冷やしたり熱くしたりするのが面白いです。
審査風景12 ニキータさん(小学6年生)
スクイーク作品にて説明
(講師の評価)
色による反射率の差でとる、基本アイデアが良い。


・サムネイルをクリックすると実際の作品が開きます。作品を見るためには Etoy というバージョンのスクイークが必要です。
・古いバージョンをお使いの場合には、新しいバージョンのスクイークをインストールした後で、再度作品を開いてください。
・最新バージョンのスクイークはEtoyはこちらからダウンロードできます。

保護者の感想

【ミツキさん保護者】
自由な発想でおもしろいストーリーです。これからも大人の固定観念に縛られない自由な発想で 作品を作ってくれれば想像力が広がると思います。
【ななさん保護者】
どの子どもの作品もプレゼンテーションもとても素晴らしく、 まさかSSKに選ばれるとは思ってもいませんでした。 今後さらに世界聴診器等を使いこなせるようにWSへ参加することを楽しみにしております。
【ナツキさん保護者】
サイエンス部門なのに質疑応答でウケをとったのは、たいしたものです。 見るからに精度の悪そうな装置は、サイエンスとしては微妙でも、バラエティ的にOK。 まあ、期待点をたっぷりいただいたと思って、精進してください。そして、スクリブトの個数の256倍は喋る息子に、 毎度つきあってくださっている講師の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。
【ゆうたさん保護者】
本当にそうですね。 最終選考会では、誰も頼ることのできない環境で一人で考え、しかも限られた時間の中で作品を作り上げること自体、 大人でもなかなかできないこと。審査の時間に拝見した皆さんの作品も、びっくりするようなアイデアが一杯、一生懸命 作っている姿が眼に浮かぶ力作ばかりで、とても楽しかったです。 大人が考える以上に、凄い力を持っているのだなぁとただただ感心しました。 この素敵なワークショップを他の方にも伝えて、サイエンスキッズの輪を広げたいと思います。

関係者の感想

三鷹市地域子どもクラブ実施委員会 宮崎真由美 様
SSKコンテストは第1回目から拝見していますが、本人も周りの大人も大変緊張する反面、大変楽しいものでもあります。 工作とパソコンを融合させる課題は、固くなった私の頭を解きほぐし、子どもたちの発想に目から鱗が落ちる思いがします。  今回のサイエンス部門の課題も、大変難しく思えましたが、迷い無く懸命に取り組んでいる子どもたちの姿を見、作り上げた作品や プレゼンを聴きながら、未知のものへ挑戦し新たな発想を生む力と解決する力が出される場が、このコンテストにあることを感じました。  アート部門に挑戦した子どもたちも、夢中で楽しそうに物語の創作をしていました。登場するキャラクタの工作も各々ユニークでした。 とにかく、ずっと楽しそうに取り組んでいる姿を見て、子どもたちがこの場に参加できて良かったと感じました。

SSKコンテストに参加した子どもたちは皆、このコンテストのWSで一段と成長したと感じます。コンテストが学びの場となり、また喜び や悔しさが確実に次へのステップの力になっていることを感じます。
野々市町情報文化振興財団 企画担当ディレクター 松田尚子様
野々市町でスクイークをはじめたきっかけは、ネットゲームばかりしている子どもたちを見て、誰かがつくった ゲームをただ楽しむだけでなく、例えばなぜキャラクターが動くのか、科学技術はどのような仕組みで動いて いるのかという点に興味を向けてほしい、そして、せっかくなら自分でもつくってみて、つくる楽しさ、難しさと、 困難を乗り越えた時の喜びを実感してほしいという想いがあり、どうすれば子どもたちにそれを感じてもらえるか 思案し、調べていた時に見つけたソフトが『Squeak』であり、『スーパーサイエンスキッズコンテスト』でした。 コンテストへはカメリア・キッズ14名が応募し、1名のサイエンスキッズ知美ちゃんを選出していただきました。  最終選考会では全国から選出されたサイエンスキッズたちの、1からものをつくることに対する高い意欲 とパワー、豊かなアイディアに驚かされました。なにより、面白がりながらスクイークを使って作品をつくりだす、 きらきらした子どもたちの目が印象的です。最終選考会に参加させていただき、Squeakが、子どもたちの想い をかたちにし、可能性を引出すツールであることを再認識できたとともに、「子どもたちがもっと自由自在に Squeakを使えるようになるには・・・」、「新たな着想に繋がる様々な体験が必要・・・」などなど、これからの 野々市町でのワークショップのあり方を考える、指導者としての課題も見出すことができました。 野々市町でのSqueakの取り組みは始まったばかりですが、スーパーサイエンスキッズという目標に向って 取り組んだことで、カメリア・キッズ、スタッフ共にモチベーションを高く保ちながら作品づくりができました。 コンテスト開催にあたってご尽力いただいた関係者の方々に心から感謝いたします。本当にありがとうございました。

理事長 瓜谷さんのご挨拶

今年でSSKのコンテストも3年目になります。毎年驚くような才能にめぐり合え、未来に明るい希望を抱かせてくれる子ども達に感動し、感謝します。子ども達はもともと豊かな創造性を持って生まれてきているのだと思います。大人が次々とそれを破壊しているようです。私達の活動はそれとは逆のことを目指しています。子どもに驚きや感動を与え、興味を持たせることができれば、子ども達は自主的に学習し、成長していくのだと思います。コンテストはひとつのきっかけや目標であり、終わりではありません。今回の経験で色々なことを体と頭脳をフルに使って学んでくれたのではないかと思います。難しい課題に、戸惑い涙しながらも最後まであきらめずにやり通した強い精神力と集中力、惜しくもSSKに選ばれず悔し涙を流した子どもの輝く目が印象的でした。必ずや、よりたくましくチャレンジする人に育ってくれると確信しています。改めてご協力してくださった関係者の皆様に御礼申し上げると同時に、これからも何卒よろしくお願いいたします。