2008年度の第一回コンテスト一審査会が、10月24日(金)に開催されました。今年度は来年1月に予定されているスーパーサイエンスキッズのNPO法人化にともなって、例年とコンテストの開催期間が異なっています。第二回の募集は2009年1月末、最終審査会は2009年2月中旬から3月中旬になる予定です。 今回は多数の応募者の中からアート部門:3名、サイエンス部門:3名、合計6名のサイエンスキッズが誕生しました。また、あと一歩及ばなかった人が次点として2名選ばれています。いづれもその年齢とは思えないようなレベルの高い作品でした。それぞれの作品を創作するには相当長い時間の集中力や創造力を要したはずです。興味を持ったことに熱中できることは、これからの能力を磨く上でも大切なことだと思います。 サイエンス部門の作品では、学校教育ではまだ習っていないような座標の概念、乱数などを使いこなしたり、化学実験の知識を応用したものもあり、プログラミング能力も非常に高いものがありました。また、今回はシューティングゲームを作成した子どもが多かったのも特徴です。ワークショップで紹介しているデジタルハリウッド大学が関与して作成された”スクイークで学ぶゲームプログラミング”というテキストの影響だと思います。小中学生でこういったゲームを作れること自体大したものなのですが、サイエンスキッズに選ばれるには、あと一つ工夫や面白いアイディアがほしいところです。その点今回サイエンスキッズに選ばれた人の作品は、2元的な視点を加えるなどオッと思わせる新味がありました。 アート部門の作品では、日常の何気ない生活から経済を学ぶような物語を創作したり、非常に単純な動きの中にアッといわせるような芸術性を感じさせるものまで、審査委員の興味と感性をくすぐるような作品が多数ありました。昨年CGアーティスト”季里さん”のスペシャルワークショップでやった、端切れやボタンを使って作った絵本をスクイークに取り込み、動く絵本にしたやり方をうまく自分なりに消化して、マルチメディアを活用した楽しい作品に仕上げている人もいました。 今回の審査会では、テキストに関して審査委員の先生方から貴重なご意見をいただくことができました。前文でも触れましたが、今回はゲーム製作のテキストの影響を受けた作品が多かったように思います。プログラミング能力は飛躍的に高まったものの、一方で、テキスト通りのものを完成することで作業が終わってしまっているものがありました。こういったタイプのテキストは、かえって子どもの創造性を殺してしまうリスクもあるようです。これを避けるには、指導の仕方を工夫をしたり、むしろもっと多くのパターンを見せることで、子どもの創造性を刺激する必要があるのかもしれません。 また、基本的な機能を紹介し、子どもの創造性でそれらの機能をつなぎ合わせて新しいものを生み出すことを促進するようなテキストが必要なのかもしれません。スーパーサイエンスキッズは子どもたちの創造性育成を目指していますので、単なるテクニックの取得を目指したものを超える環境を提供する必要があります。まだまだ試行錯誤が必要なことを改めて認識しました。 サイエンス部門とアート部門 今回の審査会には、審査員として5人の専門家の方々に参集いただきました。去年から、サイエンス部門とアート部門に分けて応募作品を募集していますが、審査結果は両部門を通して各カテゴリーの総合得点で判断します。 今回の審査員は以下の方々です。(順不同)
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第1回審査合格作品は、以下の6作品に決定いたしました。
・サムネイルをクリックすると実際の作品が開きます。作品を見るためには Etoy というバージョンのスクイークが必要です。 また今回は上記以外にもレベルの拮抗した応募作品もあった為、次点としてジュンコさんとミツキさんの作品を選びました。次回のチャレンジに大きな期待をしています。 | ||
今回はアニメーションやゲームプログラミングの作品が多かったです。それぞれ素晴らしい作品でした。中には未完成の作品もありましたが、何をしたかったのか伝わればしっかりと評価されます。次回のコンテストも期待しています! | ||