今回は多数のお申し込みがあり、やむなく何人かの方には参加をお断りしなければなりませんでした。改めてお詫び申し上げます。 さて、6月2日(土)この日は東京大学先端科学技術研究センターの駒場リサーチキャンパス一般公開日でもありました。13時にキャンパスに集まった20名のキッズ達は、早速世界先端を行く数々の研究発表を見学しました。 今話題の“ユビキタス”を使ったゲームや、目の錯覚、思い込みの世界を体験したりと、多くの研究発表を見ているだけで興味は尽きず一日あっても足りないぐらいです。 人間の目が結構ごまかされやすいことや自分達が見ているものが本当に見ている通りのものなのか?根源的・哲学的な疑問を持たずにはおれません。 14時~ いよいよ神崎先生によるスぺシャル・ワークショップ・スタート!!神崎先生による昆虫の不思議についての話が始まりました。爬虫類や哺乳類はどんどん進化し、姿と能力を変えることで環境の変化に適応してきました。が、その過程で多くの種が絶滅しました。一方、ゴキブリは3億年もその姿を変えずに生き残っています。昆虫の視力は?実は昆虫の視力は0.01以下なのですが、昆虫の複眼は人間には見えない紫外線も見ることができて、花の蜜のありかもすぐに見つけることができます。モンシロチョウは人間にはオスもメスも同じ様に白く見えますが、モンシロチョウの目はきちんと見分けることができます。 さらにすごい事は、人間には見えない早い動きも昆虫にはスローモーションの様に見ることができます。また、昆虫のような小さな生き物には空気もネバッとしているらしいのです。 なぜゴキブリは捕まえようと構えただけで逃げるのでしょう?人間にはないすごい感知能力があるのでしょうか?昆虫には不思議な能力がいっぱい! 5つのチームに分かれて、カイコガでの実験開始昆虫のすごさが判った所で、今度は5つのチームに分かれて、実験でさらなる能力を確かめて見ましょう。 まるで死んでいるように動かないオスのカイコガ。ここにメスの入った透明なガラスコップが運ばれてきました。さて、オスはどうするか?アレッ、メスが見えているはずなのに全く動きません。 今度はコップを開けてみました。するとどうでしょう。オスがすごい勢いで羽ばたき、這い回りだしました。オスは何に反応したのでしょう。これは昆虫記を書いたファーブル先生が不思議に思って研究したテーマです。実はメスのカイコガはお尻からフェロモンという匂い物質を発していて、オスはこの匂い物質に反応したんです。 再びメスをコップに入れ、人工合成したフェロモンをオスに吹きかけてみました。 やはりオスは勢いよく羽ばたき始めました。 人工合成したフェロモンを嗅いでみましたが、はたしてどんな匂いかな?オスはどこで匂いを嗅いでいるのかな?鼻? 匂いだけでオスはどのようにしてメスがどこにいるのか見つけ出すのだろう?オスの不思議な動きにみんな釘づけです。 テーマ別の昆虫の不思議を探る・・実験と観察1. カイコガが自分よりもずっと大きな移動ロボットを操縦しています。両腕から筋電位を測って、ロボットをコントロールしています。
2. 昆虫には脳が全身にいくつもあるんだ。それぞれの脳はどういう役割をしているんだろう。一寸かわいそうだけれど体を切り分けてその機能を確認してみよう。3. カイコガの羽ばたく様子をハイスピードカメラで撮影してみよう。羽ばたく様子がわかるよ。4. カイコガの脳を顕微鏡で見てみよう。不思議な形だね~5. 昆虫の複眼は偏光が見えるんだって。この目を持っていると、雲の隙間からわずかに見える青空から、太陽の位置ガわかるんだ。これを使って昆虫は自分のいる場所や巣、えさのありかを理解するんだって。さらに、人間には見えない高速な動きを昆虫は見分けることができるんだ。今回は子どもだけではなく大人たちも、子どもたちと同じ様に驚いたり、感心したり、つい夢中になってしまったワークショップでした。 こんなすばらしい機会をくださった神崎先生はじめ研究室や大学生の皆さんに改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました!!! スペシャルワークショップ2日目・スクイークワークショップ6月9日(土)いよいよ2日目のスクイークのワークショップです。場所は秋葉原にあるデジタルハリウッド大学の教室です。今回はスーパーサイエンスキッズが作ったスクイークのコンテンツを使ったワークショップにチャレンジします。最初は希望者だけが参加してスクイークの復習でDrive a carをやりました。 いよいよ14時から本番スタート。まずは先週の神崎先生のワークショップで印象に残ったものをテーマに各自が作品を作りました。カイコガの羽ばたく様子を丁寧に再現したものや、オスのフェロモン追跡をシュミレーションしたもの、クイズもの、実験の再現等々。どれも創意工夫がみられ、前週のワークショップがいかに強烈な印象を残しているかがわかります。グループ内で発表をした後、各グループの代表がみんなに自分の作品を発表しました。これらの中の多くの作品がHP SSKのコンテストに応募されました。 次はいよいよスーパーサイエンスキッズが作ったスクイークのコンテンツを使ったワークショップです。今回はオスのフェロモン追跡をテーマにしました。 ファシリテーターの渥美さん、スーパーサイエンスキッズのはるかさん、まっちゃさん、そしてまっちゃさんのお父さんがボランティア参加で作ってくれた作品を使います。それぞれの作品を見てもらって、それぞれのオスがどういうアルゴリズム(動きの法則)でメスの居場所を探しているのかをチーム内で検討・議論して、正しい解答を出す早さを競いました。 4つのチームで喧々囂々の議論が起こりました。一寸シャイで遠慮気味のチームもありましたが、だんだん議論することが楽しくなったようです。上位2チームには豪華?景品が授与されました。 考えこむ人、議論を引っ張る人、発表する人、何でもできちゃう人それぞれが個性を生かした参加ができたように思います。スクリプト(プログラム)の中身を見ても判らないケースもあり、アレッと思ったらまだ小学校では不等式を習っていなかった・・・ウーン。急遽不等式の授業開始です。判ったかな???? すごい工夫が見られ、努力して作品を作ってくれた皆さんに拍手です。匂いの強さを明度に変換したすごい作品を作ってくださったまっちゃさんのお父さんには脱帽! スーパーサイエンスキッズもチーム回答の審査員をしたり、自作の解説をしたり、普段できないような体験を積むことができました。また一段進化したのではないでしょうか。 今回の2日間のスペシャル・ワークショップは本当にすばらしく内容の充実したものになりました。ご協力いただいた方々や参加者の皆さんに感謝いたします。今後の予定として、国立天文台での宇宙バージョンや国立科学博物館との恐竜バージョンなど楽しく学べるスペシャル・ワークショップの開催が予定されています。事務局からの発表を楽しみにしていてください。 |
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