トップページ NPO活動概要 ワークショップ コンテスト イベント リンク集 Q&A 教育支援活動
Squeak-oldダウンロード旧バージョンのSqueakland2005Jはこちらから
Squeak-etoyダウンロードバージョン3のスクイークEtoyはこちらから
スーパーサイエンスキッズ
イベント
SSK US TOUR
イベント情報 協賛・協力イベント 2006年度イベント 2007年度イベント

スーパー サイエンス キッズ「USサイエンス・ツアー」リポート

2007年度最終選考会で選ばれた明日のダ・ビンチ“スーパーサイエンスキッズ(SSK)”5名は、2008年4月1日~4月5日の日程で“USサイエンス・ツアー”に参加しました。全員アメリカは初めてというSSKたちは、この5日間で、サンフランシスコ現代美術館(San Francisco Museum of Modern Art)、NASA Exploration Center、コンピューター歴史博物館、スタンフォード大学、HP社の中央研究所とシリコンバレー発祥の地として有名なHP社創業の場所HP ガレージ、エクスプロラトリアム(体験型科学館)などを訪れました。SSKたちは、アートとサイエンスの融合した美術作品の鑑賞に始まり、連日第一線の研究者から様々な話を聞き、最先端テクノロジーに触れる貴重な体験をしました。さて、どのような体験をしたのか、順を追ってご紹介しましょう。

憧れのサンフランシスコに着いたぞ!

今回のツアーは、SSK 5名に、「スーパーサイエンスキッズ」実行委員長の瓜谷輝之、スクィークの生みの親でありSSKの名誉委員長でもあるアラン・ケイ博士が代表を務めるViewpoints Research Instituteのメンバー大島さんとSSKの保護者一名が同行しました。

初めての飛行機に一寸緊張したSSKもいましたが、全員元気にサンフランシスコ空港到着。今年もUA(United Airlines)さんのご協力で快適な旅をさせていただきました。(感謝!)入国手続きも米国にしてはスムーズに完了し、呼んだリムジンが大型リンカーンでみんなびっくり、スター気分でいざサンフランシスコ市内に出発!時差ぼけ対策で、昼間は市内観光で疲れきるまで走りまわりました。おかげで初日からぐっすり眠れたようです。

サンフランシスコに到着 サンフランシスコ空港到着

サンフランシスコ現代美術館

市内観光はサンフランシスコ現代美術館からスタート。この美術館はテクノロジーとアートの融合作品の展示で有名です。まさにスーパーサイエンスキッズの目指す方向に合致したコンセプト。IT産業が集積するシリコンバーに近いサンフランシスコらしい美術館ですね。この日は偶然入館料が無料の日。(ラッキー、幸先良いね) キュビズムの現代絵画や、映像技術を使った前衛芸術に触れた明日のダ・ビンチたちはどんな刺激を受けたかしら?

サンフランシスコ現代美術館

アラン・ケイ博士とともにエクスプロラトリアムを見学
~体験することを通して発見し驚く人間の五感の不思議!~

体験型の様子

2日目は、エクスプロラトリアムと呼ばれる大型の体験型サイエンスミュージアムに行きました。ギリシア神殿風の建物は、パット見には技術博物館とは思えません。入れ口でどこかで見た人が??なんとアラン・ケイ博士がいるではありませんか。今年はここで待ってくれていたんですね。いきなりの出現でSSKも大盛り上がり。早速一緒に博物館の中に。展示ブースのすぐとなりの工房では実験器具が製作されています。工房では、科学者と芸術家が一緒に仕事をしているそうです。ダ・ビンチの実験室もこんな感じだったのかも。展示ブースでは、子どもだけではなく、大人たちも「体験型」の展示物を楽しんでいます。今年もサイエンスティーチャーを勤めるモディスト・タメッツ先生によるスペシャル授業を受けました。先生の実験体験しながらの講義は驚きと発見の連続、普段何気に見たり聞いたりしていることの中に科学の種や不思議がいっぱいあることに気づきました。見えているはずの鏡の中の自分の顔が段々視界から消えていく、アレッ???なぜ?

アウトドアでの授業

途中でメイン館から海の岬にある実験施設に行きました。海の奏でる音楽ってどんなだと思いますか。波が作る音。音って文字通り波なんだね!体でそう感じ、文字通り体感で納得しました。

今年はアラン・ケイ博士も一緒に見学しましたが、博士の目が子どもの目にまけずきらきらしていたのが印象的でした。頭の若さを保つ秘訣かな~

HP社の中央研究所を見学

HP社では副社長ギャーリーさんから歓迎の挨拶を受けました。立派な会議室に案内されて一寸緊張気味のSSKも、ギャーリーさんの日本での野球観戦の楽しい話ですっかりリラックス。ギャーリーさんはHP社の社員をやりながらボランティアで2回もパロアルト市の市長をやった人です。なごやかな交流の後、いよいよ研究所内の見学スタート。まずはHP社の創業者ヒューレットさん、パッカードさんの部屋を見学、机の上のたくさんのコインにまつわる逸話に感動!人を信頼することの大切さ、ヒューニズムあふれる創業者の考え方に共感を覚えました。HP社がNASAと共同で進めている研究や開発中の未来のゲームマシーンなどどれも時間を忘れるような体験をしました。インディゴという巨大で超高速の印刷マシーンはまさにロボット、SSKは食い入るように観察していました。

スタンフォード大学

HP社の研究所を後にして、HP社の創業の地かつシリコンバレー発祥の地といわれるHPガレージを見学した後、スタンフォード大学を見学しました。広大で緑あふれる大学の美しさに感動。 ちょうど桜も咲いていて最高のタイミングです。大きな時計台の機構部分がガラス張りになっていて構造をよく見ることができます。さすがSSK真剣なまなざしです。そういえば今年の最終選考会のサイエンス部門の課題は、時を計るだったな~。将来この中からスタンフード大学に留学する子が出るかもね!

NASA 見学

宇宙服

3日目、NASA Exploration Center を見学しました。アラン・ケイ博士のチームメンバーのキム・ローズさんのアレンジでNASAの研究者がセンター内を案内してくれました。この研究所は風洞実験で有名です。世界最大規模の実験施設を使って、スペースシャトルが開発され、未来の航空機が開発されています。

国際宇宙ステーションにドッキングされた日本の“きぼう”と同じタイプの実験施設の紹介や火星に落下した超巨大隕石の話など興味は尽きません。

NASA Exploration Centerにて スペースシャトル模型

コンピューター・ヒストリー・ミュージアム(コンピューター歴史博物館)

カード式カウンター計算機 ALTO

ここでは人類が作ってきた計算機がいっぱい展示されています。そろばんもあるんだ。 アメリカの政府が何年もかかって集計していた国勢調査(人口調査)を何とか短期間でできないか?コンペの結果選ばれたのが世界初のカード式のカウンター計算機だった。真空管を大量に使ったデジタルコンピューター“エニアック”は砲弾の弾道計算のために生まれたんだって。また、それまですべてハードウエアーで作られてきた計算機に、新しくソフトウェアーとうい仕組みを取り入れて計算機の汎用性を飛躍的に高めたマシーン。

そして、アラン・ケイ博士も開発に携わった世界初のPC “ALTO”、マウス操作ができ、ネットにもつなげることができたそうです。クレー社のスーパーコンピューターは、中の構造を見ることができるようになっています。とんでもない数の細いケーブルの束、実はこのケーブルの長さに秘密があったんだって。長い歴史の中で人類が色々な工夫と発明を繰り返して計算機やコンピューターを進化させてきた歴史をたどることができます。SSKの中から画期的なコンピューターを開発する人がでるかも。


多くの刺激と驚き、発見に満ちた「USサイエンス ツアー」から無事帰国したSSKたちに感想を聞きました。

キクチくん 中学1年生 東京都
USツアーでは、新しい発見や楽しい事がたくさんありました。中でも1番印象に残った事は、Exploratorium見学です。光の三原色や目の錯覚が起こる絵、電磁石などなど、とても楽しかったです。今年のコンテストも多くの人たちが挑戦してほしいです。
わたるくん 中学2年生 東京都
アラン・ケイ先生にお会いしたExploratoriumとHPラボの車のゲーム、コンピューター発祥の地であるHPガレージがとても印象に残りました。日本ではできないいろいろな体験や出会いがあり、本当に嬉しかったです。団長!ありがとうございました!
T・Nさん 中学2年生 東京都
ぼくは瓜谷さんの「何事も経験」という言葉が一番思い出に残っています。HPラボや、NASA、8人タクシー(謎)など、見るものすべてが初めてでした。こんな素晴らしいツアーに参加させていただいて、本当にありがとうございました。
まっちさん 小学5年生 東京都
外国には初めて行きました。アメリカに着いて、NASAのエイムズ研究所ではいろいろな展示物を見ました。他にもいろいろ行ったけど、Exploratoriumが一番おもしろかったです。
コイケッチくん 小学5年生 東京都
とても新鮮で楽しかったです。ツアーはもちろんたのしかったし、SSK仲間とのチームワークがよくなったような気がしました。HP社の開発した最新の印刷機は、ものすごい高速印刷ができ(すごいなー)と思いました。同じく、HP社が開発したとてもリアルなカーレースのゲームを見て、少し改造すれば運転免許を取るときの試験で使えると思いました。他にもアメリカには、日本では珍しいものや、日本にない画期的なものがたくさんありました。

保護者の方々の声

  • USツアーに参加させていただきありがとうございました。毎日送られてくるメール、写真などで子供たちの様子を見るのが楽しみでした。市内見学、施設見学などとても貴重でよい体験になったと思います。
  • アメリカで体験してきたことを、写真をみせながら笑顔で一生懸命説明してくれる姿をみてとても楽しくワクワクする旅行だったのだなあと思いました。子供たちの事を一番に考えてくださった日程やお食事など大変お世話になりました。一生の思い出に残る貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
  • 研究所の裏側を見せてもらうなど、普通のツアーにはないたくさんの貴重な体験ができたようです。
  • メールで旅行中の様子を知らせてくださったので、安心でした。

今回のアメリカサイエンスツアーに参加したことが、5人のSSKの未来にどんな影響を与えたのだろうか。初めての体験がいっぱいで、驚きや感動の連続、すばらしい人たちとの出会い、楽しい食事やケーブルカー、ゴールデンゲートブリッジを歩いて渡ったこと、どれもこれも記憶に残りこれからの彼らの人生に大きな影響を与えたことだと思います。彼らの成長を楽しみにしてこの紀行文を締めくくります。