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「明日のダ・ヴィンチを探せ!」スーパーサイエンスキッズ・コンテスト開催

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第2回コンテスト審査会

「HPスーパーサイエンスキッズ」第2回コンテスト審査会を開催
〜アラン・ケイ博士、キム・ローズさんが来日しコンテスト審査会に特別参加!〜

レオナルド・ダ・ヴィンチの生誕から500年。その現代日本で、創造性と科学的可能性を持った未来のダ・ヴィンチを見つけ出そうというプロジェクト、「HPスーパーサイエンスキッズ」がスタートしてはや7ヶ月が経過しました。

そして6月8日に、第2回コンテンスト審査会が協賛の日本ヒューレット・パッカードの本社がある東品川の天王洲セントラルタワーで開催されました。今回はSqueakの生みの親であり、HPスーパーサイエンスキッズの名誉委員長であるアラン・ケイ博士と、共催の米ビューポインツ・リサーチ・インスティテュートのエグゼクティブ・ディレクターで博士とともにSqueakの普及に努めるキム・ローズさんが来日し、審査員として特別参加しました。

夏休み前の時期とあってか、3月6日におこなわれた第1回審査会より若干少ない応募になりましたが、以前と比べ実際の観察結果を応用するものも見られるなど、科学的センスに溢れ、こだわりの作品が集まったコンテストとなりました。

第2回コンテスト審査会結果

コンテスト審査会は、アラン・ケイ博士、キム・ローズさんを含めた8名の審査員が、前回と同じ客観的審査基準である、「アイデアの面白さ(創造性)」、「観察力」、「表現力(デザイン性)」、「調査能力(理解力)」、「プログラミング能力」、そして審査員が自由に判断する「独自の評価」の6つのカテゴリーに従って、各10点満点の合計点数で優秀作品を選出します。

審査風景1 審査風景2

優秀作品を作った2名のサイエンスキッズ



・サムネイルをクリックすると実際の作品が開きます。作品を見るためには Etoy というバージョンのスクイークが必要です。
・古いバージョンをお使いの場合には、新しいバージョンのスクイークをインストールした後で、再度作品を開いてください。
・最新バージョンのスクイークはEtoyはこちらからダウンロードできます。

フナさん「さくら2006」(小学生作品)

作品概要
これは僕と桜の戦いの記録の一部である。春休みに観察した記録を基に、僕の持っているスクイークの技術をすべて注ぎ込み、作り上げた作品である。まだまだ足りない部分もあると思うが、これからもがんばっていきたいと思う。桜の花や、戻るなどのボタンをクリックすることで、様々な画面に飛ぶことができる。ミニゲームやグラフ、写真などを駆使して、盛りだくさんの内容にすることができた。

れいさん「首振りエンジン」(小学生作品)

作品概要
『首振りエンジンのシミュレーション』
僕は誕生日に蒸気機関車を買ってもらいました。(科学教材社:ベビーエレファント号) 作る前に、エンジンを発明したジェームズ・ワットさんの勉強をしました。(サイエンスチャンネル)
そしてでき上がった蒸気機関車の実際に動くエンジンを見て、「シミュレーションできるかもしれない。」と思いこの作品を作りました。蒸気機関車を組み立ててみたら、原理がよくわかり首振りエンジンが作りやすくなりました。
僕は入ってきた空気の力でピストンを動かし、クランクが回る仕組みにしたかったのですが、それはできませんでした。特にピストンと空気の入る速度をあわせるのが大変でした。それでもちゃんとしたシミュレーションができてよかったです。
補足資料(PDF)

審査員の先生のコメント

  • 注目に値する作品が多い中、総合的な表現とディテールに注目。技術への夢が表れているように感じる作品を高く評価しました。
  • 作品がどのように自分に語りかけてきたかで評価しました。広い視点でアイデアを盛り込んでいる作品や、写真や画像などマルチメディアを利用した過去に類を見ない作品に注目しました。
  • 道具が思考を固定してしまうことがよくありがちですが、作品の中にはもっとがんばれる要素がうかがえるものもあり、今後さらに工夫した作品を期待したいですね。
  • 科学的要素を盛り込んだ作品が増え、作者の成長度合いが垣間見ることができ、指導者として嬉しく感じました。
  • 将来性や可能性を重視しました。HPスーパーサイエンスキッズは未来のダ・ヴィンチを探す重要な目的を持っているため、単なるサイエンスだけではなく、芸術性や感性なども含めトータルで優れている作品を高く評価しました。

アラン・ケイ博士からの総評

アラン・ケイ博士

どの作品もアイデアや工夫に溢れ、応募者の年齢を考えると表現方法がすばらしいと思いました。とはいえ、子どもたちだけで科学的な発見をするのは難しいものです。トライアンドエラーで試行錯誤しながら学んでいくことは良い事ですが、果たして子どもたちがそこで何を学ぶことができたのか、どの部分を周囲の人たちが支援したらより良い作品ができるのかを考えることは重要です。

そのため、実際に子どもが計れるものを使って教えることが必要となります。実験によって体験することで、より深い理解がもたらされると私は考えています。それを、小学校4〜5年生の段階で体験させることができれば、かなり良い方向へ学習のスタートを切ることができるでしょう。そんな意味で、今回の応募作品にその取組みが見えたことは貴重な機会だったと思います

第2回目の審査会も無事終了しました。HPスーパーサイエンスキッズでは、引き続き同様のペースで作品の審査を重ねてまいりますが、今回上位に選ばれた作品の子供たちも、また残念ながら今一歩及ばずの作品の子どもたちも、今後もSqueakのワークショップに参加して、より良い作品作りにチャレンジしてくれるでしょう。私たちも彼ら彼女らの将来の可能性を見守りたいと思っています。保護者や指導者のみなさまには、これからもSqueakを使った科学教育の推進と、未来の才能の発掘にご協力いただけたら嬉しく思います。